【症例の紹介】
ふくらはぎの筋(下腿3頭筋)の肉離れを受傷した際は、まずRICES(Rest:安静,Icing:冷脚,Compression:圧迫,Elevation:拳上,Suport:固定)を行います。2~3日間のRICESの後に、段階的に競技復帰に向けたアスリハを開始します。
アスリハの中~後期には競技的動作をプログラムに加えますが、その際に患部に不安が残る場合、テーピングやバンデージで圧迫をしトレーニングをする事があります。
使用する材料
①1.5インチ(38㎜)非伸縮テープ
②アンダーラップ
③2インチ(51㎜)ライトテープ、もしくは2インチ(51㎜)自着包帯
●キネシオテープ20cmに切り、半分ほどで2つに裂いたものを足関節背屈ブロックで使う場合もあります。
テーピングの順序(伸縮テープによる背屈ブロックを加えた例)
①痛みの程度や足関節の固定の強さを決定し、関節の角度をセットアップします。注意する点は必ず足関節が下を向いている(底屈位)でセットアップします。足関節底屈位を強調するほどテーピングの緊張が増します。
②キネシオテープで足関節背屈ブロックをします。踵から始めアキレス腱で終わります。テープの引っ張り具合により固定力が変わります。強く引っ張ると固定力が増します。
③患部を中心にアンダーラップを巻いていきます。
④腓腹筋の外と内側にアンカーテープを縦方向に貼ります。
⑤内・外側のアンカーテープを斜めに被せるように下から順に左右交互に交差させながら上まで貼っていきます。テープの目的は患部の圧迫です。
⑥その上から、横方向のテープを下から順に貼っていきます。テープの目的は、さらなる患部の圧迫です。
⑦圧迫テープが剥がれないようにアンカーテープを縦方向に貼ります。
8圧迫テープは前方がオープンな状態ですぐとれてしますので、ライトテープで圧迫テープを押さえていきます。ライトテープの代わりに自着包帯で押さえる方法もあります。自着包帯のほうが圧迫力は弱く感じます。
●前から見ると圧迫テープはつながっていません
⑨上までライトテープを巻きあげて前でテープを終えるようにして終了です。巻き終えたなら、必ず選手に強さや動きにくさ、痛み・違和感がないかを確認します。
注意点
●固定肢位は足関節底屈位で行う。
●関節の位置やテープの張力はケガの状態や練習内容で臨機応変に対応する。
●巻き終えた後に、必ず選手に違和感などがないか確認をする。