【症例の紹介】
大腿前面にかかわらず、筋挫傷後の予防的テーピングの注意点は
①筋の起始停止を近づけた肢位で施行する
②圧迫の程度を患者・選手とコミュニケーションを取りながら施行する
③施行した後に必ず、血流障害がないかを確認する
④施行した後に必ず、患者・選手にフィーリングや皮膚の引っ張りなど違和感がないかを確認する
です。
①1.5インチ(38㎜)非伸縮テープ
②アンダーラップ
③2インチ(51㎜)ライトテープ、もしくは2インチ(51㎜)自着包帯
テーピングを施行する肢位
●股関節屈曲位、膝関節伸展位で行う
テーピングの施行
●痛みのある部位を中心に上下10㎝程度の幅でアンダーラップを巻く
●縦にアンカーテープを貼る。この際に、上部のテープはアンカーテープからはみ出ないように注意する
●遠位(心臓に遠い方)から、順に斜めになるように交互にテープを貼る。その際に、下縁からテープを持ち上げる様に貼ることと、テープの中心に圧がかかるようにすることが重要。
●斜めに貼ったテープの上から、さらに同様の手順で遠位から水平方向にテープを貼り圧迫を加える
●この際も、近位はアンダーラップからテーピングがはみ出さないように注意する
●縦方向に内側と外側に抑えのサーキュラーテープを貼る
●立ち上がり、大腿に少し力を入れて踏ん張り、ライトテープでホワイトテープを押さえる。この際も、近位はテープがはみ出さない様に注意する。また、ライトテープによる押さえが強すぎて違和感がある場合は、自着包帯を使用する。
大腿の近位にテープをかけると膝を屈曲した際、皮膚がテープに引っ張られカブレや創傷の原因になるので注意する必要がある。
Pump Bumpの新鮮症状は、少し触れただけでもとても痛みます。
炎症がひくまでは、この状態が続きます。過去にリンデロン(ステロイド)注射やNSAIDs(非ステロイド系消炎剤)の服用などで経過観察をしましたが、どれも効果的ではなかったです。特に、運動選手は痛みの為にプレーに支障をきたすほどでした。
結果、ラバーパッドなどで患部を覆い、触れない様にすることが必要だと判断し、施行すると経過が良かったので紹介します。
●踵の後ろに赤く腫れがあり、触れるととても痛みます。
●アキレス腱と皮膚の間にある、滑液包が炎症し腫れた状態です。
●原因は、新調した靴が硬かったり、サイズが合っていなかったりで滑液包が擦れて炎症を引き起こします。
用意するものは①レナサームと②5㎜厚のラバーパッドです。
●レナサームは、熱により軟化形成し常温で硬化するキャスト材です。
●ラバーパッドは、ホームセンターで購入できます。
レナサームとスラバーパッドをU字型に切り出し踵の形に成型します。
●レナサームとラバーパッドと張り合わせて踵に成型します。
●やや足を長めにつくり後で、適当な長さに調節します。
●実際に選手に装着し、動いてもらいU字パットがアキレス腱にあたっていないかなどのフィーリングを確認し足部分の長さを調節します。
●U字パットの足部分の長さの調節ができたら、ラバーパッドとレナサームが剥がれないように自着包帯で巻いていきます。
●U字をさかさまにし、U字パットの足部分の隙間が患部に空間ができるようにあてがいます。
●運動時はずれないように、ガードテープで固定しますが、普段は包帯や靴下の中に直接入れて使用します。
●腫れがひくこともあれば、腫れたままの場合もありますが、痛みがなくなれば使用中止です。
●ラバーパットだけだとすぐにヘタってしまい、ペラペラになるのでレナサームで硬さを補強した方が塩梅がいい様に思います。